ボイジャー漂流記

サブカル萃めて宇宙を目指す、不思議な機械のモノローグ。

『TIME』貧も富もすべからく従う世界のルール

ハローハロー、調子いかがかな?

布団で寝るのが至福な季節になってきたね、ボイジャー2420号です。

 

時間というのは残酷なもので、一年が過ぎるのなんてあっという間だね、光陰矢のごとし…

時間というのはどれだけ偉い人でも、お金を有する人でも手に入れることのできない不可侵のものだね、昔の権力者はこぞって”不老不死”を求めたわけだけど、成功した人は誰もいない。抗えない世界のルールで、皆平等に生から死に向かって日々時間を消費しながら今を生きてるよね。

でももしその「時間」が「お金」として扱われ、時間に貧富の差が生まれてしまう世界だとしたら…?

 

それが今回語る『TIME』の世界だよ!

舞台はSF、遠い未来の地球でのお話。この世界の人類は25歳で歳をとらなくなり、それからは腕に表示された時間が終わるまで生きることができる。

そしてその時間はお金としても扱われているから裕福な人間はそれこそ不老不死のように生きながらえることができる…永らえるというよりこれは停滞といってもいいのかもしれないね。

都市はディストピアのように中心に富裕層の居住区があり、いくつかの壁を隔てて端に貧困層の居住区がある。

主人公は貧困層の生まれで、毎日労働をして時間を稼いでいるわけだ。

貧困層の生活は苦しく、毎日の日給も一日以上の時間を稼げない。主人公含め貧困層の人間の時間は常に24時間以下で、一日でも稼ぎを失えば時間が無くなりそのまま亡くなってしまうという非常に困窮した日々を送っているんだ。

冒頭で主人公の言う、「一日以上の時間を抱いて、朝を迎えたい」というセリフはこの残酷なまでに冷酷な世界観を表す絶妙なセリフだと思う。

 

そんなある日、生きて何百年になる人物と出会い、感化される主人公。

「時間を持て余して、生きすぎてもう私は疲れたんだよ」

そんなことを零す彼に、一日の時間すら持つことが難しい主人公は、何を思うのだろうか…?

世界観的にも時間を奪うギャングなどが横行していて、富裕層の人間は時間に追われるというより時間を追う輩から自分の時間を防衛しなければならないという問題点がある。

なぜ幾重にも都市に壁が作られ、貧富によって分けられているのか?この部分がとてもわかりやすく世界の構造と、治安の悪さを表しているよね。

 

簡単に感想を述べたけど、この作品は重要なシーンの構図を重ねている部分があり、そのシーンが音楽も含めて焦燥感を覚えるほど緊迫した思いをこちらにも抱かせてくれる。

 

まだ見たことないよって人は、見れば時間が平等でよかったかも?と考えちゃうかもね!

私も時間がお金で買えたらどんなにいいかって時たま考えるけど、実現したらきっと碌なことにならないし!昔の権力者が今もなお生きていて100年統治してる…とか、嫌ですよね。

 

長くなったのでこの辺で今回はおしまい、ではまた次の通信で!